東北夏祭り編(10):青森県立美術館(06.8)

 青森駅から免許センター行きのバスに乗ること約30分で、三内丸山遺跡に到着です。山ノ神が花巻で得た情報によると、すぐそばに県立美術館がつい最近オープンしたそうです。腹もへったし、そこで昼食をとりついでに表敬訪問しましょう。遺跡から送迎バスに乗って数分で美術館に到着。雪のような白を基調にした建築で、内部の意匠も白、白、白。あまりにも真っ白で、トイレの個室が使用中かどうかよくわからないのには困りましたけれど。
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 とるものもとりあえず、昼飯です。付属レストランの名は「四匹の猫」。バルセロナにかつてあり、ピカソをはじめとする若き芸術家たちがたむろしたカフェ「クワトロ・ガッツ」をもじったのでしょうか。私は鳥と林檎のカレー、山ノ神は茸スパゲティを注文、味は悪くないのですが、いかんせんメニューが少ないのと値段が高いのが難。このへんは再考を求めたいですね。さてまずは常設展を拝見しましょう。ぜんぜん期待していなかったのですが、飛んでも八分歩いて十六分、青森県出身のアーティストを中心としたなかなか充実した展示でした。棟方志功はもちろん定番、二菩薩釈迦十大弟子を心ゆくまで堪能致しました、眼福眼福。そして驚きの連続はここからです。まずは阿部合成、去年兵庫県立美術館で見た『見送る人々』が忘れられません。制作は日中全面戦争が始まった1937(昭和12)年、出征する兵士を「日の丸」を狂ったように打ち振って見送る人々を描いた作品で、これほどまでに戦争の狂気と愚劣さを表現した絵も珍しいと思いました。それ以後気にはしていたのですが、青森県出身だったのですね。おおっカメラマンの澤田教一もそうか、『安全への逃避』などベトナム戦争を題材とした写真が展示されていました。ほおっ、考現学(考古学に対して現在を考察する学問)の提唱者、今和次郎も青森出身だったんだ。民家を描いたデッサンやメモを食い入るように見てしまいました。そして極めつけは、成田亨! 恥ずかしながらはじめて知ったのですが、ウルトラQやウルトラマンに登場する怪獣をデザインした彫刻家なのですね。もおっ、風景は涙にゆすれてしまいました。カネゴン、バルンガ、ラゴン、人工生命M1、(V)o¥o(V)星人(※バルタン星人と打ち込んで変換したらこんな顔文字がでてきました…) 小学生の頃、ふぉっふぉっふぉっふぉっと叫びながら、ケムール星人の走り方を真似して廊下を走り抜けたっけ、青春だなや。それはともかく、彼のデッサンを見ていると、彼の志の高さを感じます。動植物を巧みに換骨奪胎して、子供心をくすぐる見事なフォルムに仕上げているのですね。そうそう、今年の五月、豊島区立郷土資料館で怪獣をデザインした画家を紹介した展示があったことを思い出し、確認したところ高山良策という方でした。インターネットで調べてみると、どうやらあの怪獣たちはこの二人による合作のようですね。成田氏に関する詳細な紹介をしてあるサイトを見つけましたので、URLを載せておきます。いやはや奥の深い世界です。

●成田亨さんのアートワークス
 http://www.infosakyu.ne.jp/~yamaken/sfxbooks/narita/narita.html

 他にも奈良美智や寺山修司に関する展示もあります。充実したひと時を過ごすことができ、幸せ。ミュージアム・ショップによって、もちろん成田氏による怪獣絵葉書とクリア・ファイルを購入しました。そして歩いて三内丸山遺跡に移動。山ノ神に供奉して、広大な遺跡を歩き回ってきました。

 本日の一枚は、購入したクリア・ファイルです。いくつわかりますか? 私が一番好きなのは哀愁に満ちたシーボーズです。石を蹴りそこなって転んだ彼の姿は忘れられません。
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by sabasaba13 | 2006-09-07 06:07 | 東北 | Comments(0)
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