「未来を開く歴史」

 「未来を開く歴史 東アジア3国の近現代史」(日中韓3国共通歴史教材委員会 高文研)読了。「新しい歴史教科書をつくる会」の動きへの批判から、共有すべき歴史認識の構築が必要だという声が生まれ、日中韓3国の研究者、教師、市民によって「歴史認識と東アジアの平和フォーラム」が開かれました。(2002) そしてできたのがこの歴史教科書です。
 開港以前の3国、開港と近代化、日本帝国主義の膨張と中韓両国の抵抗、侵略戦争と民衆の被害、第二次大戦後の東アジア、21世紀の東アジアの平和のための課題、という項目立てになっています。正直に言って、近現代東アジア史を世界史の中に位置づけるというところまではいっていません。各国の研究者がそれぞれの主張をもちより、互いに認めることが出来た部分を列挙したという印象です。また戦後史があまりにも各国ごとに断片的すぎてトータルに歴史を見ようという視点も弱いと思います。
 しかし何といっても、日中韓共同でつくったはじめての歴史教科書という大きな一歩の前では、こうした批判は霞んでしまいます。よくぞやってくれた! 問題はこれからですね。このバトンを引き継ぐのか、投げ出してしまうのか。さらに北朝鮮の歴史をどうからめていくのか。北朝鮮の、そしてゆくゆくは統一朝鮮の歴史学者がこの共同研究に参加することを心から望みます。
by sabasaba13 | 2007-05-10 06:06 | | Comments(0)
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