「アメリカ俗語辞典」

 米軍再編のニュースを聞いていて、無性に怒りが沸いてきました。米国政府の覇権とグローバル企業の利権のために、世界中に軍隊を派遣して軍事行動を敏速に行おうというのがアメリカの世界戦略ですね。無批判にその戦略に協力していこうという日本政府の見識に欠けた政策にも呆れますが、何よりも地方に米軍基地を受け入れさせるやり方があまりにも没義道です。地方の財政を貧弱な状態にしておいて、協力すれば金をやる/協力しなければ金をやらない。まるでヤクザのよう、と言ったらヤクザの方に失礼かな。文部科学省の定義によれば「いじめ」とは、自分より弱い者に対して一方的に身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じている状態だそうです。そう、これは自民党政権による国家的規模の「いじめ」です。(安倍伍長だったら「経済的な攻撃はいじめではない」と減らず口をたたきそうだな) これじゃ学校で「いじめ」がなくなるわけがありませんよね。品性下劣な行為を行いながら、“美しい国”と鸚鵡のように連呼する安倍伍長ひきいる自民党と官僚諸氏。せめて怒りの言葉を叩き付けたいと思っていたら、ふと「アメリカ俗語辞典」(ユージン・ランディ編 堀内克明訳編 研究社)という辞典を思い出しました。アメリカ英語の俗語の多種多様さもさることながら、それに該当する日本語の語彙の豊富さが凄まじいものです。例えばstupidの名詞形を紹介しますと…
アーハーオー,あははの三太郎,あほ,あほんだら,あほんだれ,甘ちゃん,あんぽんたん,うすのろ,うすばか,うすもの,うすらばか,うっかり者,うつけ者,うましか,ウルトラぱ-,うんてれがん,大ばか,大ばか三太郎,おたんちん,おったんちん,おつむてんてん,おてんてん,お人好し,おろか者,かば,かまぼこばか【<ばかが板についている】,ぐうたら,ぐうたらべえ,ぐうぬき【<ジャンケンからグーを抜くとチヨイとパー(ちょっとばか)】,愚者,愚人,ぐず,くるくるばー,くるばー,ごくらくとんぼ,こけ,三太郎,十頭身【<脳が小さい】,じゃくのう(弱脳),純ばか,しれもの(痴者),すかたん,すこたり【<少したりない】,ずっこけ者,ずっこけ野郎,すっとこどっこい,すてれんきょう,スーパーウルトラ超どばか,すぼけ,精神インポ[<ドイツ語Impotenz],粗脳,ダブリュー【<W=2V<にぷい】,だ-ぼ-,たりないの,単細胞,単純ばか,超どあほう,ちょぼいち,ちょん,低脳,でくのぼう,天才ばかぼん【<赤塚不二夫の漫画,昭和49年】,てんてんオブラート【<天天+オランダ語oblaat<頭がうすい】,天保銭【<一銭に満たない】,どあほう,どじ・どじなやつ,どち,どばか,とろいの,鈍才,鈍太郎,とんちき,とんちき野郎,とんちんかん,どんつく,鈍物,とんま,ぬけさく,脳たりん,ノータリンダメス【<脳たりんでだめ+ノストラダムスの大予言】,脳天ほがらか,脳天ほわいらー,能なし,脳膜炎,脳るす,のろさく,のろま,のんき者,ぱー,はあたろう,はあちゃん,ぱか【<ばか】,ばかたれ,ばかの標本,ばかぽん【<赤塚不二夫の漫画「天才バガボン」】,ばかむすこ,白痴,ぱーくる,八五郎,はちりん,半人前,はんば者,ピーティーエー(PTA)【<ぱ-,とんま,あほ】,ひょうろく,ひょうろくだま,昼あんどん,ピンぼけ野郎,てんば-,ペてんぼ-,ぼー,ぼけ,ぼけなす,ぼや,ぼんくら,ぱん太郎,ぽんちやん,ぽんつく,ぼんやり者,まぬけ,よた,よたろう,らり,らり公,らりすけ,られ公,あったもん,たか,のっぽ,もみ,らりこ,おんとう,らりすけ,螢光灯,とんちき,とんばち,すっとんきょう,ばかせ,ばかぶす,ぶすばか,愚妻,豚児
 男性器・女性器・性交に関する語彙にいたっては、百花繚乱、数ページにわたって網羅されています。その豊穣さには唸ってしまいます。なお訳編者の堀内氏はこう言っておられます。
 この方針は興味本位のものではなく、あくまでも人間と人間の行為をことばの面から記録しようとするものである。それを編者や出版社の品位と結びつけて考えることは、ご容赦願いたい。
 はい、はい、わかってま。この類まれなる努力と営為に、何も言わず頭を下げましょう。さっそく使わせていただきます。せーのっ!
 なお残念なことに絶版です。復刊を心から祈念しますし、もし古本屋で見つけたら即購入して損はないと愚考します。
by sabasaba13 | 2007-05-30 06:07 | | Comments(9)
Commented by アルチーナ at 2008-09-18 11:15 x
はじめまして、当方、基本的にはクラシック音楽と生活のことを書いているブログですが、たまたま昔実家にあったアメリカ俗語辞典のことを書こうと思い検索していたらたどりつきました。記事は24日に更新予定です。
他の記事も大変興味深く拝見しました。写真も美しく、でも面白看板などもあったりして・・・また今後もじっくり拝見したいと思います。
特に建築関連の写真がとてもいいですね。
Commented by アルチーナ at 2008-09-18 11:17 x
度々すみません・・・
トラックバックをしようと思ったのですがコメントしか出来ませんでした。
リンクさせていただいてよろしいでしょうか?
Commented by sabasaba13 at 2008-09-18 20:16
 こんばんは、過分なお褒めの言葉、汗顔です。このとてつもない辞典のことをご存知の方がおられて、嬉しく思います。この言葉は、そのまま福田元憲兵曹長に進呈したいところです。
 リンクについてはNo problemです、こんな拙いブログでよろしければ…
Commented by アルチーナ at 2008-09-19 08:34 x
ありがとうございます!!
「アメリカ俗語辞典」のお陰で素敵なブログを知ることが出来、感謝です。
Commented by sabasaba13 at 2008-09-21 18:57
 こんばんは、アルチーナさん。袖触れ合うも他生の縁、これからもよろしくお願いします。
Commented by sugar at 2009-02-04 03:14 x
友人とやりとりをしていてふと、この辞書のことを思い出し、検索してたどり着きました。

当時は英語を一生懸命覚えようとしていた時期、加えてロックが大好き、さらに辞書辞典の類いを好むゆえ、この辞典にも手を伸ばしました。ページをめくるごとに何というか、日本語のほうをよく知ったような気がします。何にでも興味を抱く小娘には格好の一冊でした。

そんな辞典も今は実家に眠っています。今度帰省した際には是非連れ帰ろうと思っています。
Commented by sabasaba13 at 2009-02-06 20:32
 こんばんは、sugarさん。英語は苦手でしたが、私もロックと辞書辞典の類が大好きでした。本屋でこの辞典に出会い、数ページめくると体が凝固し目が★になったのを記憶しています。今でも憤懣やるかたない時など、ひもといて一人ほくそ笑んでいます。一生の伴侶として、ぜひ手元に置いてあげてください。

 なお大きな声では言えませんが、スリー・ドッグ・ナイトが大好きです…
Commented by とぅぼやん at 2013-05-14 15:08 x
ここでこの辞書に巡り会えるとは感激です。実は昭和49年から50年にかけてこの辞書の作成(語彙探し)に関わった人間であります。「舟を編む」という昨年の本屋大賞作と上映中の映画と33年前が重なっていたところです・・・実にオモロイ辞書です!
Commented by sabasaba13 at 2013-05-21 16:18
 こんにちは、とぅぼやんさん。こういう出会いがあると、本当にこのブログをやっていてよかったなあ、と痛感します。あれほどの天下無双の辞書、さぞかしさまざまな御苦労があったことと拝察いたします。でもその結果が、諸コメントにあるように、多くの方々の心に残る辞書となったわけですから、その苦労は報われたのではないでしょうか。「舟を編む」については初めて知りましたが、やはり辞書作りに関するお話なのですね。今度ぜひ読んでみようと思います。
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