山陽編(5):下津井~岡山(04.10)

 最終日ぐらいは落ち着いた上品な旅にしましょう。電車・タクシーを乗り継いで鷲羽山に行き、多島海と瀬戸大橋の絶景を堪能、下津井までのバスを待っていると… 来ない。係の方曰く「きまぐれやからのう」。おいおいそういう問題か、下電バス! しょうがなく徒歩で移動。途中に「笑う観光船」という看板があり、面白そうだと乗場に行ったら5分前に出航したばかり。
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 やれやれ、とぼとぼと歩いて下津井に着くと、おっなかなかおつな漁村です。なまこ壁、白漆喰、虫籠窓の重厚な建物がそこはかとなく点在、そして表面を焼いて炭状にした焼き板を家の壁にしているのが見所。腐敗防止のためでしょう、漆喰の白色とマッチしています。「観光客を誘き寄せよう」という姿勢がないのがいいですね。観光情報センターとして、古い商屋を利用した「むかし下津井回船問屋」が置かれていますが、このやり方もgood。展示室を見て分かったのですが、ここは北前船が蝦夷地から運んできた肥料に使うニシンを陸揚げしていた集散地だったのです。北前船の寄港地である函館、酒田、伏木、輪島、敦賀、境、竹原、尾道といった地名を見ると、かつて訪れた時の情景が走馬灯のように脳裏に浮かびます。いつか船をチャーターして北前船の航路めぐりをしてみたいな。ワクワクしませんか?
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 展示を見ていると、1990年に廃線となった下津井電鉄が「風の道」として整備されていて、児島まで歩いていけるらしい。未整備のワイルドな廃線跡を行くガッツはありませんが、一応「廃線」と聞くと血沸き肉踊るようになりました。大変歩きやすい土の道で、ところどころにナローゲージの架線柱やホームの残骸が残っています。電車になった気分で、海を見下ろしながら山の稜線に沿い、市街地を抜けて約6kmを歩破。JR児島駅まで歩いていく途中に、何やら大きな吊り橋が見えてきます。はてこんなところに…と不審に思い近づくと、歩道橋! 車もほとんど走っていないので、道路の真ん中で堂々と撮影しましたが、無駄な公共事業の典型例ですね。開き直りさえ感じます。
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 岡山へ戻る電車の中で作戦会議。天使「せっかくだから閑谷学校(江戸時代に岡山藩が民衆のためにつくった学校)に行きましょうよ」悪魔「だめだよ、飛行機に乗り遅れるよ」天使「弱気ねえ」わが心の内なるレッド・シューズ・ドゥーガン(古いなあ)は、悪魔の右手を上げました。岡山駅から路面電車に乗って、岡山城、そして後楽園へ到着。やはり基礎・基本が大事。今回の徘徊で、三名園と三名橋を仕上げることができました。それにしても路面電車を見ると、human scaleの街なんだなあという印象を受けてホッとしませんか。路面電車めぐりにはまりそうな♪恋の予感♪がします。札幌・函館・東京・江ノ島・豊橋・岐阜・富山・福井・大津・高岡・京都・堺・岡山・広島・松山・高知・福岡・長崎・熊本・鹿児島が、現在もゴトゴト路面電車が元気に走っている街です。
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 後楽園は池泉回遊式庭園で、築山、流れ、茶亭、石組などが美しく構成された変化の多い大名庭園です。広大な芝生と点在する梅林・桜林が大雑把すぎるかなと思いますが、芝生を縫ってたおやかに流れる水の流れはいいですね。ねころがって、しばしの昼寝を楽しみました。ZZZZZZ… 園内には、かつて岡山に留学していた郭沫若の詩碑がありました。
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 夢二郷土美術館に寄って、県立美術館へ。岡山出身の国吉康雄の作品が展示されておりました。この画家も気になりますね。
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 そして岡山空港から、空路帰郷。そういえば基本中の基本、日本三景の天橋立に行ったことがないなあ、などと思案にふけりつつ、窓は夜露に濡れていきました。

 本日の一枚は後楽園です。
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by sabasaba13 | 2005-02-10 18:51 | 山陽 | Comments(4)
Commented by hwatattama at 2005-02-26 04:08
sabasaba さん初めまして。トラックバックありがとございます!
と、こちらにきて衝撃をうけました。こないだ行ってきた下津井では、まさにその道を歩きたかったんですよ。でも事前に詳しく調べなかったのが悪かったのです。──なのでとても参考になります!
後楽園の写真もいいですね〜。日本三大○○もいろいろ行ってみたいし、岡山はまたぜひ訪れようと思います。
ほかの記事も、どれも面白いですネ。これからじっくりと拝見させていただきます。じぶんも方々でかけておりますが、行きたいとろが満載の模様です!
Commented by sabasaba13 at 2005-02-26 08:26
 こんにちは。コメントをありがとうございました。「風の道」は気持ちの良い散歩道でした、お勧めです。廃線ウォーキングにはまりそうです。横川から碓氷峠まで歩く「アプトの道」もいいですね。経ヶ岬灯台に行かれたそうですが、うらやましい。丹後半島はいつかじっくりと訪れたいのですが、私車の免許をもっておりません。「バイエルンの黒い風」こと山ノ神を拝みたおして連れて行ってもらおうと思っております。それでは、ご自愛を。
Commented by nyanko-nabe at 2005-02-26 21:56
はじめまして、夏みかん(nyanko-nabe)です。
トラックバックありがとうございました。

児島駅から下津井港までは一日5本くらいしかバスがなくて、大変です。
風の道も歩かれたのですね。
ままかりと塩羊羹が有名なので、またいらっしゃったときにはぜひどうぞ。
Commented by sabasaba13 at 2005-02-27 17:12
 こんにちは。コメントをありがとうございます。ほんとに素敵なところでした。ところで「ままかり」とは? あわてて調べたら、ニシン科サッパという魚を酢漬けにしたものなんですね。あまりのおいしさに、隣家からご飯(まま)を借りて食べ続けることから「ままかり」。うーむ、勉強になりました。ぜひ再訪して挑戦してみます。それでは。
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