「JIN -仁-」

 「JIN -仁-」(村上もとか 集英社)読了。「龍(RON)」を読み終わった余韻もさめやらぬ中、村上氏の新作マンガが刊行中であることを知りました。今現在、第7巻まで出ているのですが、これもまた面白い。大学病院の脳外科医局長・南方仁が幕末の日本にタイム・スリップしてしまうという奇想天外なストーリー。一気に読み終わってしまいました。
 何といっても見所は、最新の医療知識をもとに、当時の医療技術や器具を駆使しながら行う手術のシーンです。その難しい描写をリアルに描きつくす著者の力量にはあらためて感服します。そして名もなき庶民にそそがれる氏の暖かい視線も忘れられません。仁は、気道に大火傷を負った鳶、右手の神経障害を負った絵師、馬に頭部を蹴られたおかみさんなどを「赤ひげ」のように献身的に治療していきます。中でも梅毒におかされた吉原の遊女を治療する場面では、その迫真の描写に息を飲みました。
 やがて彼は勝海舟や坂本龍馬という知己を得、いやがおうでも幕末の政治状況に巻き込まれていきます。佐久間象山の手術(これは手遅れ)、そしてなんと西郷隆盛の虫垂炎を快癒させてしまいます。もしかしたら龍馬も彼の手術によって一命をとりとめるのかなあ、などと妄想してしまいました。ペニシリンの製造や天然痘予防などで多くの人々の命を救い、歴史的な重要人物を助けることによって、歴史がどう変わってしまうのか。これからの展開が楽しみですね。
by sabasaba13 | 2007-07-07 19:24 | | Comments(0)
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