ヴェネツィア編(53):カステッロ地区~カンナレージョ地区(07.3)

 なおこの界隈の景観も絵になりますね。水面からすぐにそそり立つ建物が多く歴史のある街区であることがしのばれます。しかも運河が三叉となって入り組んでいるので、古色蒼然とした味のある建物がいくつも水面に映り、舟が起こす漣とともに蜃気楼のようにゆらゆらと揺らぎます。
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 ここからふたたびパオロ教会に向かう途中の小路(カッレ)で異なものを見かけました。路の片側に垂直に切り込まれたスペースがあり、円形の手すりがついていますが、その中には何も見当たりません。これまでもいくつか見かけたのですが、何なのでしょう。「ゴミ捨てるな」という意思表示か、聖なる物がかつて置かれていたのか。ご教示を乞う。
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 パオロ教会広場に戻ると、天気が良いこともあって、ご近所の方々が三々五々集まって四方山話に余念がありません。子どもたちは、教会の壁をゴールがわりにしてサッカーをしています。子供の戸外で遊ぶ声はいつ聞いてもいいものですね。“遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん 遊ぶ子供の聲きけば 我が身さへこそ動がるれ”(梁塵秘抄) われわれもジェラートを買ってベンチで一休み。
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 さてこれから北岸のフォンダメンタ・ヌオーヴェへと向かいましょう。途中で、葬儀屋+石屋を発見。ショー・ウィンドウには例の顔のような呼び鈴が並んでいます。なるほど、葬儀屋が墓石をつくるとともに、こうした呼び鈴も注文に合わせて作っているのか。その隣には鍛冶職人が店の中でお仕事中。みんなでこうした手仕事や職人を支えているのですね。
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 フォンダメンタ・ヌオーヴェからヴァポレットに乗ってローマ広場へ行き、大きなCOOPでオレンジと飲料水とビールを購入。なおこちらではトイレを利用できます。せっかくなのでラグーナ(潟)に沈む夕日を見ようと歩いてカンナレージョ地区の岸へと行きましたが、残念、厚い雲に隠れて拝むことはできませんでした。海辺のベンチに座ってオレンジとビールをいただき、薄暮に彩られる絹のようなラグーナを見ながら、心の中で呟きます。今度こそ、今度こそ、今度こそ、Arrivederci Venezia !
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 Arrivederci ! 洗濯物よ。
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 Arrivederci ! 心なしか涙ぐんでいるような顔型呼び鈴よ。
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 近くの店でピザを食し、満月のもと幻想的に浮かび上がる運河や街に別れを惜しみながらローマ広場へ。そしてバスに乗ってホテルへと戻りました。

 追記。道行くすべての人に親切をしたくなるような気持ちよく晴れた日に、N印つきカバンを背負った子どもたちを見かけるのは、悲しく辛いことです。友だちと遊び、ふざけあい、じゃれあい、喧嘩をし、仲直りをする機会を犠牲にして、他者を蹴落とすためペーパー・テストで高得点をとる知識と技術を詰め込まれに行くところなのでしょう。大人が介入しない遊びの世界を経験しないで育った子どもたちは将来どうなるのでしょう。おそらく人類がはじめて経験する事態であり、ある意味では壮大なる人体実験とさえ思えてきます。

 本編の足跡と本日の四枚です
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by sabasaba13 | 2007-09-09 06:17 | 海外 | Comments(0)
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