大芦川・真岡鉄道・烏山編(1):(07.7)

 「水百景」という番組をご存知ですか。テレビ東京で火曜日午後10時ごろ放映されている、五分間ほどの小さな番組ですが、なかなか素晴らしい。各地の清流や滝、そこに生きる動植物を簡素なナレーションとともに紹介してくれます。涼風とフィトンチッドが、しばらくの間部屋に流れ出してくるようです。こんな美しい清流を利権のため傍若無人に破壊し続けている元凶の親玉が、「美しい国」などと平然と口にするのですから驚き桃の木山椒の木ですね。ま、それはさておき、その番組の中で以前紹介されていたのが栃木県の大芦川です。なんでも関東に残された最後の清流だとか。定例の一泊二日関東甲信越小さな旅ができそうなので、今回はここを中心に計画を立ててみました。しかし本やインターネットでいくら調べても、大芦川の詳細がわからない。困ってしまってワンワンワワン、とクルクル回っていたら、インターネットであるブックレットの存在を知りました。『「大芦川緑のダム」宣言』(随想舎)という本ですが、さっそく購入。この川の相貌と、ダム建設をめぐる問題点がよくわかりました。渡良瀬水系に属し、前日光高原を源とする一級河川にして動植物の宝庫です。クマタカやオオタカやオオルリなどの鳥類、ヤマネやツキノワグマなどの哺乳類、ニッコウイワナやサンショウウオが棲息し、イチリンソウやクマガイソウなどの野草も咲き誇るそうです。明治期には足尾銅山の資材供給のため上流の水源林が伐採されて災害が多発したこともありますが、先人たちの植林事業によって川の崩壊は食い止められました。ところが1973(昭和48)年、栃木県は東京都の水不足を解消するためと称してダム建設計画を発表、ほとんどの村人が同胞のためと涙を飲んで立ち退きました。しかし東京の水不足解消の目処がたったにもかかわらず、1993(平成5)年に今度は鹿沼市が市の水道水のためとしてダム建設を引き継ぎます。これに対して西大芦漁業協同組合の人々を中心に反対運動が活発となり、地域や県外の人たちも参加して立木トラスト・土地トラストなどの運動をくりひろげました。この運動が功を奏し、2003(平成15)年、栃木県はダム建設計画の中止を決定します。うーん、なるほど、その戦いの軌跡も是非見てみたい。なお詳細な地図も載っているので、これをコピーして持参することにしました。
 大芦川に行く際の最寄り駅は鹿沼なので、ここから下館に出て板谷波山記念館、そして真岡鉄道に乗って真岡を見物、そして茂木に泊まることにしましょう。翌日は、この近くにある石畑の棚田を見たいのですが、公共輸送機関はないのでタクシーを利用。そのまま烏山まで行き、レンタサイクルを借りて国見の棚田と街並みを見物、もし時間があったら大宮にあるジョン・レノン・ミュージアムに寄りましょう。うしっ、巨大な連関が音を立ててつながった! がしゃん なお持参した本は「パレスチナ」(芝生瑞和 文春新書)です。
by sabasaba13 | 2007-09-30 07:41 | 関東 | Comments(0)
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