SHINE

 ジョニ・ミッチェルの新譜「SHINE」にはまっています。ジョニ・ミッチェルといえば、「青春の光と影」や「サークル・ゲーム」(「いちご白書」の冒頭のシーン!)などの名曲を思い出しますが、数年前に今の音楽状況にうんざりして事実上引退し、絵画に専念していたようです。その彼女が、環境破壊やアメリカ政府による戦争と国家テロに危機感を覚え、警鐘を鳴らすためにつくったのがこのアルバムです。というと、声高に「ブッシュの○○○○○!」と叫ぶ攻撃的な曲なのかなと思うでしょ、さにあらず。「私達はこの地球を火葬用の薪に変えている」「ショッピング・モールでは携帯電話依存症達がペチャクチャ喋っている」「男どもは戦争が大好き」といった辛辣な表現も随所にありますが、静かなしかし力強い語り口でこのおぞましい現状に眼を向けようと呼びかけます。たとえば「シャイン」という曲。
小さな光を輝かせよう
あなたの小さな光を輝かせよう
楽しいユーモアに光を照らそう
善意にも光をあてよう
人を殺してもいいという
お粗末なリーダーシップにも光をあてよう
愛国の狭間で苦しみ
死んでゆく兵士達にも光をあてよう
神の名の下に行われる
大量破壊にも光をあてよう
心の健康の探求者達
そうした先駆者達にも光をあてよう
物事を整理する必要から
心の中へと入り込み
これまでの自分を振り返る
こうしたすべてに小さな光が輝きますように
 そして特筆すべきは音楽の美しさです。ボーカルとキーボードを中心としたシンプルな編成ながらも、音楽の優しさ・暖かさがじわじわと染み渡ってきます。「人間はこういう素晴らしいものを創造することができるのよ」という彼女の主張を感じます。特に冒頭のインストゥルメンタル・ナンバー「ワン・ウィーク・ラスト・サマー」には魅了されました。この曲を聴けば、ブッシュやシャロンの心の闇にも灯火が輝くのではないかと思いたくなるような佳曲です。
 音楽で世界を変えることはできないでしょう。でも現在とは違う世界を思い描くきっかけはつくれると考えます。
by sabasaba13 | 2007-10-20 07:49 | 音楽 | Comments(0)
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