ギリシア編(12):メテオラの修道院(07.8)

 カランバカの裏手から修道院へと上る道路があり、十数分ほどでアギオス・ニコラオス・アナパフサス修道院へと到着です。道路のすぐ脇からそそり立つ岩の上にしがみつくように建っています。しかしここはまだ序の口、軽いジャブ。口を開けながら外観だけを見上げて、またバスに乗り込みます。
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 ここから岩々の間を縫うような羊腸の坂道をバスは駆け上り、十数分ほどで目的地メガロ・メテオロン修道院に到着です。
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 駐車場のある岩山から谷をはさんだ向こうの岩山の上に、岩から増殖したかのように存在していました。そう、存在です。まるで悠久の昔から当然の如くそこにあったとしか思えないほどの自然な佇まいです。ふわあああ、凄い… 「何故あんなところにつくったのだろう?」「どうやってあんなところにつくったのだろう?」という疑問が二重螺旋のようにぐるんぐるんと脳中でまわってしまいます。そうそうもう一つ、「どうやってあそこで暮らした/暮らすのだろう?」 ツァーのある方が「これじゃコンビニに行けへんなあ」と呟いたのが印象的でした。さすが関西人、思考がザッハリッヒカイトですね。(偏見か) よく見ると、下から物を吊り上げるための滑車がありました。必要な物資はこうして入手していたのですね。またこちら側に数本のワイヤーが張り渡してあり、荷を乗せた小さな箱がするすると修道院に移動していきました。現在ではこうして物資を運んでいるようです。
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 まずは石段を下りて橋を渡り、そして今度は断崖に這うように作られた石段を上って修道院入口に着きました。添乗員さんからさんざん脅かされましたが、それほどの労苦ではありません。ただ断崖にへばりついた石段で、手すりも低いので、高所恐怖症の人にはつらいかもしれませぬ。男性の半ズボン、女性のスカート姿は禁止、よって入口のところで男女とも長い布を借りて巻きつけなければなりません。
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 ビザンチン様式の祭壇や修道士たちのしゃれこうべや(転落して亡くなった方もいるとか)厨房などを見学して、周囲を展望できる中庭へ。
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 周囲の峻厳な岩山、向かいにあるヴァルラアム修道院、カランバカの家並み、そして広がる平野を手に取るように眺望することができます。絶景絶景。ん? ふと下方の駐車場のあたりをみると、どうやら展望台があるようです。ここでの見学を早めに切り上げてあそこに行ってみることにしましょう。
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 修道院内部には小さな展示室があり、いろいろな資料を拝見することができました。ナチス・ドイツに対するレジスタンスのポスターがあったのが心に残ります。第二次大戦後のギリシアも右翼独裁政権が登場するなど紆余曲折の歴史があったはずですが、よく知りません。ギリシアの現代史についてもっと勉強してくるのであったと後悔。テオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」を見ておくんだったなあ。なおこちらでは現在でも数人(!)の修道士が暮らしておられるそうです。馘首にされた時の選択肢が一つ増えたぞっと。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2008-01-16 06:16 | 海外 | Comments(0)
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