肥前編(30):伊万里(07.9)

 いよいよ最終日です。朝早くホテルをチェック・アウトし、伊万里駅周辺を散歩してから佐賀へと移動しましょう。駅前には伊万里焼の大きな人形、そして商店街の肉屋には牛の看板、これも伊万里焼なのかな。相生橋の欄干にも、樽に乗っかって酔っ払う西洋人の焼き物がありました。
c0051620_8592266.jpg

 橋を渡ってしばらく歩くと左手に松島神社があります。鳥居には「八紘一宇 国運隆昌」と刻んでありました。裏側を見ると「二千六百年 紀元節」とあるので、1940(昭和15)年に建てられたのでしょう。
c0051620_85949100.jpg

 奥に進むと、拝殿と本殿、その本殿が伊万里商業高校の奉安殿です。コンクリート製で入母屋+千鳥破風を組み合わせた重厚な瓦屋根がのっていました。奉安殿がこういう形で再利用されるケースは多いようですが、地元の人々が占領軍による破却を怖れて行ったのでしょうか。気になりますね。敗戦後における奉安殿の保存と破却についての研究があれば、ぜひ読んでみたい。境内には忠霊塔や砲弾型の碑が林立していました。なお石鳥居上部の笠木の反りが強いのですが、これは長崎県を歩いているとよく見かけます。この地独特の様式なのでしょうか。
c0051620_901836.jpg

 ふたたび相生橋を渡ると、往時の伊万里津の様子を演じるからくり時計があります。川ぞいの散歩道「あいあい通り」を歩くと、延命橋に出ます。
c0051620_90414.jpg

 ここの欄干にあるのが「伊万里色絵瓢箪鯰唐子像」です。「瓢箪で鯰を押さえる」=「とらえどころのない」という俚諺で、そのユーモラスな様が大津絵の主題になったりして庶民に親しまれていたそうです。如拙の「瓢鮎図」にもそうした背景があるのかな。さらに鯰を押さえようとしている唐子は、八仙の一人・李鉄拐(りてっかい)の化身なのだそうです。彼のトレード・マークは瓢箪、このあたりの知的遊び心には敬服いたします。近くには「黒澤明記念館」がありました。昨日、伊万里と黒澤明の関係をタクシーの運転手さんに訊いたところ、「立ち寄ったら気に入った」ということだそうです。
c0051620_911248.jpg

 古い建物がまばらに残る飲み屋街を抜けて、伊万里駅に戻りました。
c0051620_913558.jpg

 さっきも気になったのですが、ここからヨーロッパの城のような大きな時計塔が見えます。結婚式場か、パチンコ屋か、とにかく行ってみましょう。塔に向かって十分ほど歩くと到着、うん、やはり赤煉瓦造りを模したヨーロッパ貴族の邸宅のような結婚式場でした。ハウステンボスでも感じましたが、ヨーロッパに対する強烈な憧れ、逆オリエンタリズムなのかな。一考の価値はありそうです。また駅に戻ると、貸し自転車ありという英語の看板がありました。外国人ツーリストもけっこう訪れるのかもしれません。
c0051620_915883.jpg


 本日の一枚です。
c0051620_921735.jpg

by sabasaba13 | 2008-04-19 09:02 | 九州 | Comments(0)
<< 肥前編(31):昇開橋(07.9) 「村上ソングズ」 >>