肥前編(33):大川~久留米(07.9)

 堤防の脇にある民家を何気なく見ると、屋根が複雑に組み合わされています。これは伝統的な様式なのかなと思い、一応写真におさめておきました。で、先日「日本人の住まい」(宮本常一 農文協)を読んでいたら、この形状のことが説明されていました。佐賀平野に多い「クド造り」という民家で、土間住まいの家屋と床住まいの家屋を接続した結果、コの字型になったそうです。なぜそうなったのかについては本書を読んでいただくとして、うん、"知る"というのはほんとに楽しいものですね。もっと勉強しよう。
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 そして荒れ果てた洋館も発見。明治末期に建てられた銀行だという解説がありました。建物自体はなかなか立派なものですが、いかんせん保存状態が悪すぎ。ぜひ修復を望みたいですね。そして国道に出て「大川橋」バス停に到着。昇開橋からここまで徒歩十数分、この距離を「けっこう歩きますよ」と言った温泉の方の感覚には身の毛がよだちます。そうか、みんな歩かなくなっているんだ… 車依存社会の弊害がここにもあらわれています。そしてバス停のベンチは昇開橋を象った手作りのもの。さっきも公園で同じようなベンチを見かけました。この橋にかける地元住民の愛情が伝わってきます。「日本一の家具産地大川へようこそ」という大きな看板や「古賀メロディーとインテリアのまち」と書かれた暖簾を見かけましたが、家具と古賀政夫が大川の売りなのですね。
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 さてバスが到着、「走行中に立つと、あぶのうございます」という優しいアナウンスが旅の疲れを癒してくれます。しかしすぐ渋滞に巻き込まれてしまい、佐賀駅に到着したのは乗ろうとしていた列車発車時刻の五分前。残念、観光案内所で「佐賀戦争の真相」を買う時間がない。断腸の思いで断念し、列車に飛び乗りました。嗚呼、やはり本は欲しいと思った時にすぐ購入すべきですね。銘肝。
 長崎本線で鳥栖まで約25分、鹿児島本線に乗り換えて久留米まで約5分、車内には「床に座らないでください」というステッカーがありました。同感、ほんとにじゃまくさいですよね。さて久留米で九大本線に乗り換えますが少々時間があるので、駅前に出てみました。すると大きなからくり時計がありました。解説を読むと、久留米出身の細工師・田中久重(通称からくり儀右衛門)の生誕二百年を顕彰するためにつくられたそうです。実演の時に流れる音楽は久留米にゆかりのあるもので、(1)上を向いて歩こう(中村八大)、(2)赤いスウィートピー(松田聖子)、(3)涙のリクエスト(チェッカーズ)、(4)合唱組曲「筑後川」。なるほどねえ、別にコメントはありませんが。その隣には「海の幸」を模写した大きな看板に「青木繁よ甦れ! 旧居保存にご協力を」と書いてあります。駅前にある観光案内所(貸し自転車もあり)でパンフレットを立ち読みすると、久留米は青木繁の他に坂本繁二郎、古賀春江の出身地でもあるのですね。またブリヂストンの創業者・石橋正二郎の郷土でもあり、石橋美術館もあります。この美術館にはちょっとそそられますが、いかんせん寄っている時間がありません。九大本線に乗り換えて筑後吉井へ向かいましょう。
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 追記。そういえば「のだめカンタービレ」の主人公・野田恵は大川の出身でした。もしやと思い、インターネットで調べたところ、やはり同ドラマのロケは昇開橋が見える筑後川の堤防で行われたそうです。

●のだめカンタービレ ロケ地ガイド
 http://loca.ash.jp/show/2006/d200610_nodame.htm
by sabasaba13 | 2008-04-22 06:08 | 九州 | Comments(0)
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