瀬戸内編(6):祝島(08.2)

 ところで祝島ってご存知ですか? 周防灘に浮かぶ周囲12kmほどのハート型をした小島、豊後水道を北上する黒潮に洗われ一年を通じて温暖で、びわやみかんの産地、そしてタイなど高級魚の宝庫でもあります。そして石を多く産出し、それを積み上げて漆喰で固めた練塀(ねりべい)が素晴らしい景観をつくっているとのこと。実はこの練塀がお目当てです。さらに対岸の上関に中国電力が核(原子力)発電所建設を計画しており、その実情についても知りたいと思っています。そうそう忘れちゃいけないのが神舞(かんまい)という、四年に一度行われる祭りです。伝承によると今から千百十余年の昔、豊後伊美郷の人々が山城国石清水八幡宮より分霊を奉持して海路下向中、嵐に会い祝島に漂着したそうです。島の人々は、彼ら一行を心からもてなし、その時に教わった荒神を祭り、農耕を始めたことにより、以後島民の生活は大きく向上しました。それからそのお礼にと、島民は毎年八月に伊美別宮社に欠かさず参拝をし、そして4年毎に伊美別宮社から二十余名の神職、里楽師を迎え、祝島を斎場として神恩感謝の合同祭事を行うようになり、これが神舞として伝承されたとのことです。20人が櫂で漕ぐ櫂伝馬船や大漁旗をたなびかせた100隻以上の漁船など、出迎えの護衛船を従えた神船が、大分県国東半島の最北端にある伊美別宮八幡社から国東市国見町伊美港を出発し、御神体とともに乗り込んだ二十余名の神職、里神楽師、伊美の郷の氏子代表や漁師を祝島に迎え、その後さまざまな神楽や神事が行われるそうです。ちなみに今年(2008年)は神舞が行われる年で、期間は8月16~20日。この時には島出身の方々が大勢帰省し、島が沈みそうになるそうです。
 島人らしい数人の乗客と一緒に船から下りると、さっそくあちこちで港にいた人たちとの間に和やかな挨拶の輪が広がります。人口約500人だそうですから、ほとんど顔なじみなのでしょうね。近くで「原発絶対反対」という看板を二枚見かけました。
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 さて、一応宿までの地図は印刷してもってきたのですが、狭い集落なので何とかなるでしょう。気儘に歩きながら捜すことにしました。メロンの皺のように狭い路地(「あいご」と言うそうです)が不規則に絡み合い、まるで迷宮に紛れ込んでしまったようです。
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 そして味わい深い景観を演出する練塀がそこかしこに見られます。今は使用されていないようですが、共同井戸もいくつか見かけました。
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 時々すれちがう人は、ほとんどが乳母車を杖がわりに押すご老人です。瞬時にして島の者ではないとわかるのでしょう、必ず一瞥されます。すかさず「こんばんは」と挨拶をすると、みなさん笑顔で「こんばんは」と応えてくれました。宿をさがしてしばしうろうろしていると、向こうからやって来た中年男性が「○○さんですか?」と声をかけてきました。宿のご主人で、港まで迎えにいこうとしたとのこと。さっそく宿までご同行してもらい、部屋に荷物を置くと、集落を案内してくれることになりました。まずは練塀が両側に連なる路地へ。車の通らない閑静な路地が薄暮に染まり、まるで時間が止まってしまったよう。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2008-09-08 06:08 | 山陽 | Comments(0)
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