瀬戸内編(26):竹原(08.2)

 さて、ここから直接、古い町並みのあたりまで行ってもらいましょう。途中に竹原港があり、町並みから歩いて15分ほどで来られることを確認。丁重に礼を言い、下車。おおっこんなに観光客の姿を見たのは、今回の旅行ではじめてです。まずは腹ごしらえ、そういえば朝食を食べておりませんでした。蕎麦屋「遊山」で玉子焼きと地エビかきあげ蕎麦を所望。
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 舌鼓を打ちながら、ガイドブックで散策の経路を考えました。煙と変人は高い所に上る、まずは小高い場所にある長生寺に行ってみましょう。なおこれは人品が軽いからだけではなく、根拠もあります。宮本善十郎氏(常一氏のご尊父)曰く、「村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上がってみよ、そして方向を知り、目立つものを見よ。峠の上で村を見おろすようなところがあったら、お宮の森やお寺や目につくものをまず見、家のあり方や田畑のあり方を見、周囲の山々を見ておけ、そして山の上で目をひいたものがあったら、そこへは必ずいって見ることだ。高いところでよく見ておいたら道にまようようなことはほとんどない」 ほわあ、寺の境内からは町を一望できます。残念ながら曇天になってしまったのですが、景観をぶちこわす高層建築がほとんど見当たらず、渋い色合いの甍の波がリズミカルにうねるように並んでいます。
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 ここから少し平行移動すると西方寺と普明閣に行き着きます。後者は京都の清水寺を模して小早川隆景がつくったと伝えられるもので、この舞台からの眺望も素晴らしい。
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 そしてこの西方寺の石段からの眺めが絶品! 町並みがより間近く見晴らせ、棒瓦の屋根屋根が織りなすさまざまな直線の意匠はまるで水墨で描いたモンドリアン、もう現代美術のようです。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2008-10-08 06:18 | 山陽 | Comments(0)
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