瀬戸内編(35):尾道~福山(08.2)

 さてそれでは久保本町商店街・中央商店街をぬけて駅へともどりましょう。こちらは味のある商店・古い商店が散見されます。崩壊しかかっているが健気に頑張っている「濱本ゴム靴店」、ダンディな男性のイラストがかかげられた「クロダ帽子店」、風格あるアール・デコ調のビルと天狗のお面がミスマッチな「店品洋半富」(廃業?)、食料品店として第二の人生を送る「大和湯」、武骨で実直な佇まいが魅力的な「三笠工業」、高齢化を象徴するような「林ウバ車店」、ホアン・ミロ風の装飾が愛らしい「中野時計店」(廃業?)などなど。そうそう、おばけのQ太郎型の遊具(子供がまたがりお金を投入するとヴイインヴイイン揺れるやつ、正式名称は何と言うのでしょう)があったのには驚愕。今でも実動するのでしょうか、それを試せない己の度胸のなさには情けなくなります。でも実際に試したら、「変な人」として警察に通報されそうですね。嫌な渡世だなあ。
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 街角には鮮魚を車付きの小さな屋台で売るおばさん、こちらでは"晩寄り"と言うそうです。
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 ああ面白かった。一つ提案ですが、ここを「レトロな商店街」として観光の目玉の一つにするのはいかが。けっこういけると思いますぜ。それでは昼食にしましょうか、せっかく広島県にいるのだし、Rのつく月だし、ここはやはりカキフライでしょう。きょろきょろと物色していると「食事 喫茶 YOTAROU」という店がありました。さっそく入ってカキフライ定食を注文したところ、味はまあまあですが、その量がはんぱじゃない。カキフライ五個+讃岐富士のように盛り上がった野菜サラダ+付け合せのスパゲティ・ナポリタン+野菜の煮物の小鉢+漬物+具沢山の味噌汁+大盛ご飯… 食っても食っても減らない減らない、もう気分はシジュホスです。そうこうしているうちに列車の発車時刻が迫ってきました。この世に生を受けて○十年、出された食べ物は絶対に残さないことを戒律としてきましたが、断腸・慙愧・韓信の股くぐり、やむをえない2/7ほど残してそそくさと店から立ち去りました。御天道様、ごめんなさい。そして尾道駅へ。
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 山陽本線に乗り込んで20分ほどで福山に到着、めざすは鞆です。駅前にはどこかで見たことのある銅像… えーとえーと… 岡倉天心だ! たしか茨城大学五浦(いずら)文化研究所で見ました。「五浦釣人像」、この像の作者・平櫛田中はこの地出身だったのですね、納得。
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 本日の一枚です。
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 追記。林芙美子の「放浪記」(新潮文庫)を読んでいたら、次のような一節がありました。
 線路添いの細い路地を出ると「ばんよりはいりゃせんかア」と魚屋が、平べったいたらいを頭に乗せて呼売りして歩いている。夜釣りの魚を晩選りと云って漁師町から女衆が売りに来るのだ。(p.509)

by sabasaba13 | 2008-10-20 06:01 | 山陽 | Comments(0)
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