2005年 05月 16日 ( 1 )

銚子編(3):(05.5)

 そしていよいよ今回の目玉、犬吠崎灯台が見えてきました。ペダルを一回一回踏むごとにじょじょに白亜の偉容が近づいてくるその高揚感。たまりません。そして到着。1874(明治7)年11月初点灯、地上31m、レンガ造りの構造物としては高さ日本一、200万カンデラ以上の光度も日本一という犬吠崎灯台です。設計はもちろんヘンリー・ブラントン。バランスのとれた質実剛健な、灯台のイデーとも言うべきその容姿には魅入ってしまいました。二本のロープがかけられ、鯉幟がはためいていたのはご愛嬌。初めての経験ですが、内部に入るのに長い行列ができており十数分待たされました。そして99段の階段を上って塔頂へ。眼前に茫漠と広がる太平洋をボーッと眺めていると、脇にいた女性が「わーっ、地球が丸く見えるううううう」と叫びました。これは間違い。さる地学専門の方に教わったのですが、それは気のせいです。もしそうだとすると、水平線を左右それぞれの後方に延長すれば真後ろで交差してしまいます。成程。階段を下りて、一階にある資料室へ。灯台を守り抜いた職員名簿とブラントン氏の胸像に一礼し、巨大なフレネル・レンズを見学。灯台の後ろ側にまわると珍しい物件を発見しました。霧笛を鳴らす機械とそれを収納している建物が当時のまま残されています。右写真の、朝顔状の部分からブオオオオオオオオオと巨大な音を出すのですね。ぜひ聴いてみたいですね。聴いてみましょう。下記のホームページで聴くことができます。これは一聴の価値がありますよ。ご家族の方がびっくりすると思いますので、音量は小さめに。

 ●「犬吠崎灯台のすべて」 http://www.choshinet.or.jp/%7Ehiro/
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 そしてとなりにある資料館を見学。期待はずれのしょぼいものでしたが、一つ気になる解説がありました。「使用するレンガの輸入か国産かをめぐってブラントンと中沢孝政技師の意見が食い違ったこともあったと伝えられておりますが、結局、地元で造るということになりました。土質が悪く、当初市内での試みは失敗。利根川沿いに良質の粘土を探し求め、ついに高岡村(現在の香取郡滑川町)で目当てのものを見つけ、国産のレンガ造りに成功しました。」 深谷編で書いたように、近代日本のレンガ製造の嚆矢は、明治政府が計画した洋風建築による官庁街建設を推進するため、渋沢栄一が中心となって深谷に設立した日本煉瓦製造株式会社だと思っていました。こういうルーツもあったのか。名残は尽きねど、灯台を出発。灯台ファンとしては恥ずかしいのですが、実は私夜の灯台を見たことがありません。ここでしたらすぐそばに宿もあるし、何時か霧の深い日に泊まって、明かりがグルングルングルン回り、霧笛がブオオオオオオと叫ぶのを見て聴いてみたいな。
 なお近くには、「犬吠の今宵の朧待つとせん」という高浜虚子の句碑がありました。
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 本日の二枚は、犬吠崎灯台とその遠望です。ここに地果て、海はじまる。
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by sabasaba13 | 2005-05-16 06:14 | 関東 | Comments(0)