2005年 10月 16日 ( 1 )

「サバがトロより高くなる日」

 「サバがトロより高くなる日 危機に立つ世界の漁業資源」(井田徹治 講談社現代新書1804)読了。背表紙を見た瞬間に背筋に電流が走り、肌に粟が生じ、顔面が蒼白となり、怒髪が天を衝き、迷わず購入。sabasaba13というURLの由来は以前書いたし、何回もふれているように、私、大のサバ好きです。しかし最近、サバの値段が異常に高いことが気になっていました。渡りに舟、さっそく昨今の漁業事情について勉強しましょう。
 著者は共同通信社の記者で、ユーモアを交えた語り口でやさしく世界の漁業の現状を説明してくれます。結論は単純かつ深刻、要するに「乱獲」です。「過去五十年間で、タラやマグロ、カジキ、ヒラメなど主要な大型の魚の資源量が90%以上減っている」という専門家の指摘もあるそうです。漁獲・冷凍・運搬技術の進化に加え、世界で最も安い所で入手し、世界で最も高い所で売るというグローバリゼーションの論理が貫徹しているためですね。ある海域で大量に乱獲し、魚が減ると違う海域に移動して乱獲する(ヒット・エンド・ランというそうです)というのが、現在の漁業の姿です。その際に、稚魚まで一網打尽にされてしまうのも、漁獲量減少の大きな原因。そしてその魚のかなりの部分は、回転台の上をクルクル廻りながら、われわれ日本人の胃袋の中に入るわけですね。マグロの値段が安くなったのは、畜養マグロの増加のためです。しかし生簀に入れたクロマグロの体重を1キロ増やすために、イワシ・ニシン・サバ・イカ・エビなどの餌をを10~25キロ与えないといけないそうです。おーまいがっ! サバが減少している原因はここにもありそう。他にも、ウナギ・タラ・イカ・タコ・サメなども資源量が急速に減少しています。
 その責任の相当部分はわれわれの胃袋にありそうです。マグロの刺身やウナギの蒲焼は、時々食べられるご馳走にしていかないと後世の世代に顔向けができなくなりそうです。フカひれ入りカップ麺が売られているというのは、かなり異常な事態だと思います。
c0051620_8483696.jpg なお混獲や乱獲に無縁な海の幸を独立の審査機関が認証し、ラベルを貼ろうという動きは始まっています。「海洋管理協議会(MSC)」と呼ばれる国際機関です。近々、日本でもお目見えするそうですので、ぜひ協力したいと思います。フェア・トレード運動とともに、応援したいな。地球環境を破壊している企業の暴走を食い止めるための鍵は、われわれ消費者が握っています。簡単です、「買わねーよ」と一言いえばいいだけ。

 それにしても、いつの間にか回転すしの店が異様に/異常に増えたと思いませんか。そして売れ残ったネタや新鮮でなくなったネタはどうしているのでしょう。もし捨てているのであれば犯罪的行為です。われわれ日本人が漁獲資源壊滅に一役買っているという、嫌な気がしてなりません。

 いつまでもサバが食べられるようにとの願いと、そのためにできうる限りの努力をするという誓いを込めて掲載します。関サバ!
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by sabasaba13 | 2005-10-16 08:50 | | Comments(6)