2006年 02月 19日 ( 1 )

ヨハネ受難曲

c0051620_8162719.jpg 山ノ神が声楽を習っている師匠が参加しているアンサンブルBWV2001のコンサートを聴いてきました。曲はJ.S.バッハの「ヨハネ受難曲」。古楽器による合奏と声楽家による、計16人の小規模なアンサンブルです。
 会場は浜離宮朝日ホールということなので、山ノ神と築地市場駅で待ち合わせ。コンサート前の夕食の条件としては、1.時間がかからない、2.匂いが残らない、3.美味い、以上三点だと愚考しますが、となると寿司しかあるめえ。駅の案内図で店の当たりをつけて、築地市場へ行きました。関係者以外立入禁止的雰囲気なのですが、意を決して場内へ。フォークリフトがぐおんぐおんと行き交う中を進みすぐ目についた「磯野屋」という寿司屋を選択。店の方に「よくここがわかりましたね」と言われて、「ま、そこはそれ、蛇の道はへび…」などと口を濁しながらも美味しくて安い寿司を堪能しました。口の中に小宇宙が広がるような芳醇な味のマグロ、カニ、アナゴ、イクラ、ネギトロ巻でしたね。海苔も一味違います。青魚大好きの私としては矢も盾もたまらず、コハダとサバを追加。ふわああああ さて帰………ってはいけない、お楽しみはこれからです。
 16人という少人数で演奏効果があがるのかなと思っていましたが、杞憂でした。獅子吼するようなバッハも(メンゲルベルク)、大伽藍のような神々しいバッハも(リヒター)結構ですが、少人数のアンサンブルによる演奏もいいものですね。迫力には欠けますが、濃密で緊張感にあふれた夾雑物のない純度100%のバッハでした。指揮者がいないので、お互いの視線や仕草のやりとりでアインザッツ(音の出だし)を合わせるのですが、その様子を見ているだけで合奏の喜びを共有できます。各人の技量も充分なもので、特にペテロとピラトを担当した小原浄二氏(バス)の恰幅のよい朗々とした歌唱は素晴らしい。
 対訳をくれたので、曲の内容もよくわかりました。正直に言って途中で眠くなるかなと思ったのですが、歌詞を確認できたことによって曲の進行にスムーズについていけ、あっという間に二時間が過ぎてしまいました。「殺せ! 殺してしまえ! 十字架につけろ!」とユダヤの民衆がキリストを罵る合唱の場面など、手に汗握ります。(こういう状況を最近の日本ではよく見かけますね) 「よく見るがいい、私の魂よ、不安に心騒ぐ喜び、辛く心に突き刺さる楽しみ」という歌詞も心に残ります。このあたりの劇的な音楽表現を聴いていると、名著「西洋音楽史」で岡田暁生氏が述べられていた「バロックとは音楽がドラマになった時代」という説に得心します。今度はぜひ「マタイ受難曲」と「ロ短調ミサ」を聴かせて下さい。いっそのことライプチヒの聖トーマス教会で聴いてみたいねと山ノ神に秋波を送ったら、「寒そうだからやだ」で話は終わりました。
 さて明日はテニスをして昼寝をして映画「ホテル・ルワンダ」を見て練馬の「176」で蕎麦を食べる予定。嗚呼至福の二日間、人生ってそれほど悪いものではありません。

 追記その一。もらった演奏会のちらしを見ていたら、クイケンとラ・プティット・バンドが5月に来日して、バッハ・プログラムを演奏するとのこと。これは行かなくちゃ。
 追記その二。ちらしを入れてあるビニール袋は演奏中にガサガサ音をたてないように、コンドームと同じ材質でできているそうです。へえーへえー
 追記その三。能登伊津子氏(オルガン)の凛とした美貌に見惚れてしまいました。ファンにならせていただきます。(山ノ神承認済第2766号)

●アンサンブルBWV2001 http://www.gregorio.jp/bwv2001
by sabasaba13 | 2006-02-19 08:17 | 音楽 | Comments(0)