2006年 03月 20日 ( 1 )

ダボス編(11):会議場(05.12)

 さてゴンドラに乗って山麓まで降り、電車でダボス・ドルフ駅に戻りました。部屋に戻ると、チョコレートとクッキーが積まれたプレートがありました。ホテルからのクリスマス・プレゼントです、これは嬉しい。今晩は街へくりだしてみましょう。クリスマスだけあって人出も少なく、店も早仕舞いしており街は閑散としていました。キルヒナー美術館まで歩いて開館日時と時間をチェックし、ダボス会議が開かれる会議場の外観を見物してきました。ダボス会議は、1971年の「欧州経営フォーラム」から始まりました。当初のメンバーは欧州経済人のみでしたが、市場競争中心の新自由主義を掲げ、世界のトップリーダーが集まる場に発展することになります。87年に名称を「世界経済フォーラム」に変更、96年からはグローバル化を積極的に推進し、その先導役と見なされるようになり、そのために金融取引への課税(トービン税)を求める国際NGOアタック(ATTAC、Association for the Taxation of financial Transactions for the Aid of Citizen)などの標的とされ、軍隊と警察に警備されて開催されるようになります。まあ言わば、グローバリゼーションにおける勝ち組のリーダーたちの会議ですね。よってダボス会議に抗議し反グローバリゼーションを掲げるデモも、しばしばここで行われます。またダボス会議に対抗するために、ATTACの呼びかけで「世界社会フォーラム」という対抗サミットが開かれていることも銘記しておきましょう。その合言葉は「もう一つの世界は可能だ」というものです。なお2004年にインドのムンバイで開催された「第4回世界社会フォーラム」には世界のNGOが2700団体、12万人が集まり、アメリカのイラク攻撃や新自由主義への批判など様々な主張が展開されたましたが、日本のメディアでこの模様を報道したのは共同通信と朝日新聞としんぶん赤旗だけだそうです。sigh… やれやれこれでは世界の現状について日本人が正しく理解するのは不可能ですね。ダボス会議については結構くわしく報道してるのに。
 もう一つ付言すると、現在、人類が直面しているアポリア(難問)は地球規模の不平等と環境破壊だと思います。両者は密接に関連していますが、それを解決する鍵の一つが「トービン税」です。作家のミヒャエル・エンデの言です。
 ある人が西暦元年に1マルク預金したとして、それを年5%の複利で計算すると現在その人は太陽と同じ大きさの金塊を4個分所有することになる。一方、別の人が、西暦元年から毎日8時間働き続けたとする。彼の財産はどれくらいになるか。驚いたことに、1.5gの金の延べ棒一本にすぎないのだ。この大きな差額の勘定書は、いったいだれが払っているのか。
 身の毛もよだつ話ですね。ま、要するに金融取引によって濡れ手に粟、ぼろもうけをした人たちにかける課税です。世界中の資産家たちが最も怖れているのが、この課税でしょう。
 なお以前に書評で紹介しましたが、ATTAC主宰者の一人スーザン・ジョージが著した「ルガノ秘密報告 グローバル市場経済生き残り戦略」(朝日新聞社)はお勧めです。
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by sabasaba13 | 2006-03-20 06:03 | 海外 | Comments(2)