2007年 06月 23日 ( 1 )

ヴェネツィア編(9):カンナレージョ地区(07.3)

 ここで迷宮都市ヴェネツィアを読み解くコツの一つを陣内氏に伝授していただきましょう。まず運河は古いものほど湾曲し、13~14世紀に登場するちょっと新しい運河は直線的な形をとるそうです。昔は技術力が低かったので、水の自然な流れに逆らわなかったのですね。また水の中から直接立ち上がる建物は古く、一方運河に面してつくられた路(フォンダメンタ)は中世の後半、運河の両サイドにフォンダメンタがつく手法は16世紀以降に登場したもので、周辺部にのみ見られるそうです。してみると、このあたりは運河が湾曲し建物が水の中から立ち上がるのでかなり古い街並みなのでしょう。その後にフォンダメンタを一部つけたのかな。
 アルターナという屋上にとりつけられたテラスもヴェネツィアではよく見かけます。ちょうど日本の物干し台に似ていますが、夕涼みや友人を招いてのパーティーなどに利用されるようです。15世紀後半のカルパッチョの絵にも描かれているそうですので、連綿として続く伝統です。それにしても涎が出るくらい羨ましい。あそこでスカンピ(手長海老)をつまみに白ワインを飲みながら夕陽に輝くヴェネツィアの暮色を眺められたら、もう女房を(ピー)てもかまわないなあ。少なくとも、冷房のきんきんにきいた部屋の中でポテトチップを食べながらプラズマ・テレビでDVD映画を見るよりは、十億光年くらい人間らしさに近い営みだと思います。
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 教会の近くで郵便配達の方を見かけました。もちろん徒歩で、キャスター付きの郵便袋を引っ張りながら、「ポスタ、ポスタ」とかいがいしく郵便を配達されています。この迷路のような街で家のありかをつきとめるのは至難の業だろうなあ、思わず一礼。なおイタリアでは、手紙がなかなか届かなくても、電車が5時間遅れても、バスがストライキで動かなくなっても、アリタリア航空が真っ先に欠航しても、電話の回線が跡絶えても、しょっちゅう内閣が解散して次の首相がなかなか決まらなくても、市役所の簡単な手続きが済むのに3カ月かかっても、開いてるはずの美術館が臨時休業でも、Pazienza(パツィエンツァ=我慢)と言うそうです。
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 このあたりで見かけた顔型呼び鈴です。
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 本編の足跡と本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2007-06-23 08:21 | 海外 | Comments(2)