2009年 04月 14日 ( 1 )

アイルランド編(28):コノリー駅(08.8)

 なお前述の「血の日曜日事件」をテーマとしてジョン・レノンが作った曲が"Sunday Bloody Sunday"(アルバム「SOMETIME IN NEW YORK CITY」に収録)です。その後、U2も同じテーマとタイトルで違う曲を作っていますが(アルバム「WAR」に収録)、おそらくレノンから強い影響を受けたのでしょう。なお司馬遼太郎氏が「愛蘭土紀行Ⅱ」(朝日文庫)の中で、ジョナサン・スウィフトとジョン・レノンの共通点を語っておられます。実はこの二人の生い立ちは酷似しているのですね。スウィフトについては以前に紹介したので割愛しますが、ジョン・レノンはリヴァプールのスラムに生まれ、両親に縁がうすく、少年時代には札つきの不良でした。その結果としての人間的弱さや愛情への飢餓、それと裏腹の非情さと残酷さと人間嫌い、そうした思いを言葉あるいは音楽として紡ぎ、叩きつけるように表出させる。これは司馬氏の炯眼だと思います。また、リヴァプールには貧困や飢饉から逃れて来たアイルランド移民が多く、ジョン・レノンはその末裔ではないかと氏は推測されていますが、ジョンは先祖がアイリッシュであったと自ら語っています。彼がアイルランドへの熱い思いと、イギリスへの激しい憎悪に満ちた曲を作るのは、そのためかもしれません。さきほど紹介したアルバムには、"THE LUCK OF THE IRISH"という強烈な曲も収められています。
もしも君たちがアイルランド人の運命になったら
悲しくて 死んだ方がましだと思うだろう
だからアイルランド人の運命になって
イギリス人でよかったと思ってみるのだ!

1,000年の拷問と飢えの歴史が
国民を自分たちの国から追い出した
美と神秘に満ちた国は
イギリスの略奪者どもに強奪された

もしも君たちが花のような声を持てるなら
世界中にシャムロックが咲くだろう
もしも君たちがアイルランドの小川のように夢を飲めるなら
世界は朝の山のように高くそびえるだろう

リヴァプールで彼らは話してくれた
イギリス人がどのようにして国を引き裂いたかを
苦痛と 死と栄光と
古き良き時代の詩の国を

もしも我々が 朝の露で鎖を作れるなら
世界はゴールウェイ湾のようになるだろう
小さくしなびた老人の姿をした鬼のように虹を渡ろう
世界は巨大なブラーニー・ストーンになるだろう

イギリス人共はなんでそこにいるのだ?
神を楯にとって殺人を犯すとは!
すべてを若者たちとIRAのせいにする!
大量虐殺を犯しておきながら!そうだ!そうだ!大量虐殺だ!

もしも君たちがアイルランド人の運命になったら
悲しくて 死んだ方がましだと思うだろう
だからアイルランド人の運命になって
イギリス人でよかったと思ってみるのだ
イギリス人でよかったと思ってみるのだ
 そしてコノリー駅に到着、明日ジョイス博物館に行くための列車を確認し、引き返してこのあたりで夕食をとりますか。と突然の驟雨、「財布を忘れても傘を忘れるな」と肝に銘じていたので大事には至りませんでしたが、やれやれですね。♪ああめが降ったら濡れればいいさ♪と傘もささずに平然と道行くDubiners諸氏を脇目に、あわてて傘をひろげるひ弱な二人でした。アイルランドは羊が多い≒羊の肉が旨い≒ケバブが旨い、と漠然と期待しているわれわれとしては、ぜひともケバブを食べたいのですが店がみつかりません。雨が激しくなってきたので捜索を断念し、眼前にあった「バーガー・キング」に飛び込み、食費節約の意も込めてハンバーガーセットをいただきました。ホテルに戻る途中で、昨夜も立寄ったコンビニエンス・ストア「SPAR」に入り、ギネスの缶ビールと飲料水を購入。昨日と同じアラブ系に見えるレジ係の方が、われわれを覚えていたのですね、はにかんで微笑みながら「アイルランドは好きかい?」と呟いたので「もちろん」と答えると「僕もさ」。嗚呼、こういう国でありたいですね。

 本日の一枚はコノリー駅です。
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by sabasaba13 | 2009-04-14 06:07 | 海外 | Comments(0)