2009年 09月 08日 ( 1 )

東北錦秋編(5):八甲田(08.10)

 そして下流にある「おいらせ渓流観光センター」で小休止。同行のみなさんはお土産購入に勤しんでおられましたが、私は付近を散策。林の中にある遊歩道をしばし彷徨いましたが、地面を染め上げる散りもみじの美しさには目を見張りました。
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 そしてバスは八甲田へと向かいます。残念ながら、このあたりの紅葉はもう終わりでした。当たり前の話ですが、「東北の紅葉」と言ってもかなりのタイム・ラグがあるのですね。この間、ガイドさんは八甲田雪中行軍遭難事件についてのお話をいろいろとしてくださいました。迫り来る日露戦争に備えて厳寒地での戦闘のため、1902(明治35年)年1月に日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊が八甲田山で冬季訓練中に遭難し、参加者210名中199名が死亡したという日本の冬山登山史上最大の惨劇ですね。以前、青森市にある八甲田雪中行軍遭難資料館を訪れた際に、凄惨な写真とともに事件の概要を知りましたが、こうして現地に来るとあらためて暗澹とした思いにとらわれます。人命を屁とも思わず軽視する日本の官僚機構の酷薄さと杜撰さを肝に銘じましょう。これは現在でもあまり変わっていないようですが。そして三十分ほどで地獄沼に到着。その向かいに「まんじゅうふかし→」という案内板があったので、温泉饅頭でも売っているのかなと思ったら、ガイドさん曰く、木製ベンチの下から温泉の蒸気が立ちのぼり、着衣のまま腰をかけて尻を温める温泉だそうです。へえー。さてここで十分間の地獄沼見物タイム。かつての爆裂火口跡に湧き出る温泉がたまってできた沼で、立ちのぼる湯気と硫黄臭からこの名がついたそうですが、以前ほどの勢いはないとのこと。
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 またこのあたりの紅葉も見事だそうですが、もう見頃は終わっていました。ところどころで湯気がほやほやあがっている小さな沼を数分ほど眺めてみなさんはそそくさと車内へ戻っていかれます。が、私としては「まんじゅうふかし」が気になります。出発までの残り時間は5分37秒、矢印の方向に歩いて行けるところまで行ってみましょう、すたすた。しかし二分ほど急ぎ足で歩いてもそれらしい物件は見えてきません。あきらめて戻ると霊界アンテナが何かをキャッチしました。脇道に入るとそこは荒涼とした空間、中央にはお地蔵さま、その周囲にはケルンのように幾重にも積み上げられた石の数々、そして地面の裂け目からはしゅうしゅうと蒸気が噴き出し、小さな湯だまりではぼこぼこと泡が沸き立っています。まるでプチ恐山… もしやイタコの口寄せが行われている場所なのかもしれません。一瞬、サイク・アウトしてしまいそうになった異空間でした。しかし気を取り直してバスへと戻り、集合時間数十秒前に間に合いました。当然の如く、私が最後。みなさんは「見るべきほどのことは見つ」とばかりに、すぐ車中に戻られていたようです。何を見るべきかを個人で決められないのがパック旅行のつらさですね。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2009-09-08 06:10 | 東北 | Comments(0)