2012年 02月 17日 ( 1 )

青森錦秋編(5):薬研渓流(10.10)

 二十分ほど走ると宿のある薬研温泉に着きましたが、このまま奥薬研まで乗せていってもらうことにしました。奥薬研から宿のある薬研温泉まで、渓谷沿いの遊歩道が整備されており、あるいて一時間ほどの散策だそうです。荷物を預けて車から降り、さあ歩きはじめましょう。あっその前に、パンフレットを参考にして薬研渓流について紹介しておきます。位置的にはちょうど下北半島の真ん中あたりですね。大畑川の美しい渓谷に沿って広がる、周囲を原生林に囲まれた静かな温泉郷です。薬研というのは、湯の湧きでるところが漢方薬をつくる道具に似ているところから名付けられ、豊臣方の落武者によって開湯されたといわれています。まずは奥薬研橋を渡り、大畑施業実験林を抜けていきます。さきほど女将から「薄暗くて寂しいところなので、歌を歌いながら歩くといいですよ」と言われたので、♪Who's afraid of the big bad wolf?♪を選曲しました。両側には鬱蒼としたヒバが屹立していますが、こちらはヒバ天然林の試験・研究のために設定されているそうです。トロッコの線路跡が旅情をかきたててくれます。
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 ミズナラの大木を過ぎると、乙女橋という吊り橋に到着。
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 橋の上から両岸を眺めると、うーん、やはり金襴の紅葉とは言い難いですね。
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 橋を渡るとさきほど走った車道に合流、途中に渓谷を一望できるみごとな露天風呂がありました。ああタオルを持ってくるべきであった!と悔やんでもAfter the carnival。ん? 何やら注意書きがぶらさがり風に揺れていました。なになに、"通称「隠れかっぱの湯」については、関係機関より公衆浴場法及び温泉法に違反していることから利用を中止するよう指摘を受けているので、利用しないで下さい"とな。もしや混浴はだめだということかしらん…だとしたらなんと無粋な。重箱のように狭っくるしいこの日本、官憲はここまで規制を加えるのかと暗澹たる思いにとらわれました。ふう。
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 そして覆道を抜けると渓流に沿った遊歩道となり、ところどころで川辺までおりることができます。巌をけずり悠々と蛇行する渓流、石走る垂水、両岸をうめつくす木々、これで例年の紅葉ならさぞや絵にも描けない美しさでありましょう。かえすがえすも無念です。♪Heigh-ho, Heigh-ho It's home from work we go♪と鼻歌を歌いながらあるいていくと、一時間ほどで薬研温泉に到着、こちらには宿が三つありますが、今夜の旅の宿は薬研荘です。「家族的雰囲気で薬研一安い!」という大きな看板があったのですぐわかりました。
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 宿帳に記入し、部屋に入って旅装を解き、さっそくひとっ風呂あびて、夕食。滋味豊かな茸の盛り合わせに舌鼓を打って、部屋に戻ります。全館暖房が入っているのは、さすがに北の地ですね。部屋からの眺めは悪く、渓流は見えません。また100円払わないと見られないテレビがあるのには驚き、重要有形文化財に指定してほしいですね。まあ"薬研一安い"ということで諒としましょう。ま、もともとテレビは大嫌いなのでなんの痛痒も感じません。八戸で入手した地酒をあおりながら、夜と森のしじまを友に、ベンヤミンを書読。白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり…
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2012-02-17 06:21 | 東北 | Comments(0)