2019年 07月 04日 ( 1 )

響きあうアジア2019ガラコンサート

c0051620_22211884.jpg 山ノ神がロハのチケットを知人からいただいたということで、「響きあうアジア2019ガラコンサート」を聴いてきました。なおガラコンサート(gala concert)とは、何かを記念して企画され、特別な催しとして行われる演奏会のことです。まずはチラシから紹介文を転記します。
 これまで国際交流基金アジアセンターが活動を支援してきた、ベトナム・タイ・フィリピン・インドネシア・ミャンマーの5か国8つのオーケストラから、選び抜かれた約80名の演奏家が来日。日本の演奏家を交え、多国籍オーケストラ「響きあうアジア2019交響楽団」を結成。指揮者に「炎のマエストロ」小林研一郎氏を迎え、熱気溢れるアジアの響きをお届けする特別コンサートです。
 国際交流基金アジアセンターは、2014年から「ASEANオーケストラ支援事業」を実施し、東南アジアのオーケストラの運営・演奏技術の向上を支援してきました。本コンサートはその集大成として、東南アジアと日本から、総勢約100名の演奏家が一堂に会し、共に音楽を紡ぎます。東南アジアと日本が互いに学びあい、響きあうことで生まれる、エネルギー溢れる音色をお楽しみ下さい。
 会場は池袋にある東京芸術劇場、ホールに入るとほぼ満席でした。いただいたプログラムを読んでみると、さまざまなご苦労があったようです。雨が残るような野外での公演、リハーサル初日に譜読みをしてこない団員、練習開始はほぼ数分遅れで遅刻者や欠席者もいる、などなど。でも磯部周平氏は優しく弁明されています。
 遅刻者もいますが、あの交通事情では無理もない、とも感じます。ただ驚くのは、欠席者がいること。オーケストラの給料は充分なものではなく、ほとんどのメンバーが、複数の仕事を兼業又は掛け持ちしているため…と聞きました。
 舞台にはたくさんの椅子が並べられていましたが、袖から登場したホーチミン市交響楽団、ベトナム国立交響楽団、王立バンコク交響楽団、フィリピン・フィルハーモニック管弦楽団、マニラ交響楽団、ジャカルタ・シティ・フィルハーモニック、ジャカルタ・シンフォニエッタ、ミャンマー国立交響楽団から選抜された総勢約100人の音楽家で埋め尽くされました。そして背後には、賛助出演する岩倉高校吹奏楽部のみなさんが並びます。もうこれだけでワクワクしますね。
 そしてマエストロ、小林研一郎氏が颯爽と登場。まずはヴェルディの歌劇「アイーダ」より"凱旋の行進曲"が演奏されました。舞台前面に立ち並んだ六人のトランぺッターが奏でるファンファーレに胸は高鳴り心は踊ります。サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」を弾いたソリストは瀬﨑明日香氏、難曲だけに弾くだけで精一杯という感じでした。シベリウスの交響詩「フィンランディア」は素晴らしい演奏でした。冒頭の押し潰されるような抑圧感、一転して飛翔するような勝利の凱歌、そしてフィンランドの風土を賞揚するような美しいメロディ、そして再び凱歌で締めくくられます。それぞれの曲調違いをよく表現していました。小林研一郎作曲の「パッサカリア」より"夏祭り"は、和太鼓をふくむ打楽器群が大活躍。その迫力と躍動感に圧倒されました。
 ここで休憩をはさみます。少々の音程の狂い、アインザッツやアンサンブルの乱れ、走り気味のテンポなどなんのその。異国の音楽仲間と一緒に音楽を紡げる幸福感に、私たちも酔い痴れました。
後半はベートーヴェンの「エグモント」序曲で始まり、フィナーレはチャイコフスキーの大序曲「1812年」です。大砲はどうするのかなと興味津々でしたが、さきほどの和太鼓が代役をつとめました。ちょっと迫力不足だったかな。
 万雷の拍手のなか、小林氏がペコリと頭を下げ「アンコールをしてもいいですか」と肉声で客席に告げたのには思わず笑いが起きました。そしてビゼーの歌劇「カルメン」ファランドールの熱狂的な演奏で幕を閉じました。ブラービ! 終了後、舞台の上で三々五々抱き合い握手をするメンバーの方々の姿が心に残りました。

 というわけで楽しい演奏会でした。言葉も文化も宗教も違う人びとが、音楽を通じて一つになる。あらためて音楽の素晴らしさに感じ入りました。選曲も良かったですね。"勝利"というのが一つのテーマだったと思いますが、参議院選挙を前に、激励してもらったような気がします。また機会があったら聴いてみたいオーケストラです。
by sabasaba13 | 2019-07-04 06:19 | 音楽 | Comments(0)