2019年 12月 14日 ( 1 )

大谷康子

大谷康子_c0051620_2201830.jpg 山ノ神が足繁くかよっているマッサージ師さんから、大谷康子というヴァイオリニストが近所に住んでいるという情報を入手してきました。へえー、それはいつか聴いてみたいものだと思っていたら、某コンサートでもらったチラシで、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏することを知りました。垣内悠希指揮の東京ニューシティ管弦楽団で、他の曲目はシベリウスのカレリア組曲と交響曲第1番。いわゆる「国民楽派」がコンセプトですね。ホールも池袋にある東京芸術劇場で我が家の近場だし、山ノ神を誘って聴きにいくことにしました。
 まずはカレリア組曲、以前に拙ブログにも書きましたが、私にとって大切な思い出の曲です。やや迫力が足りないかなと思いましたが、溌剌とした清新な演奏には満足。
 そして大谷康子氏が颯爽と登場。ポルタメントを多用して情熱的に歌うヴァイオリンには聴き惚れてしまいました。常に指揮者とオーケストラとのコンタクトをとって音楽をリードする姉御肌の風格も魅力的でした。次はベートーヴェンとシベリウスのヴァイオリン協奏曲をぜひ聴いてみたいものです。贔屓にさせていただきます。なお文化祭の仮装のようなチープっぽいドレスはいかがなものかと思いましたが、ま、余計なお世話ですね。
 そして15分休憩の後、いよいよシベリウスの交響曲第1番です。頻繁に演奏される第2番(業界用語で言う「しべに」)ではなく、第1番を選んだところに、オーケストラの志と自身を感じます。おうよ、私も第2番だけがどうしてもてはやされるのか理解に苦しみます。もちろん悪い曲ではないのですが、第1・5・6番のほうがずっと素敵なのに。
 さあ始まりです。冒頭、北欧の寂寞とした自然を思わせる清澄で美しい音にいきなり引き込まれました。ダイナミックな第1楽章、穏やかでメロディアスな第2楽章、律動的でロマンティックな第3楽章、そして情熱的な第4楽章はピチカートの静かな和音で終わります。垣内氏の真面目で律儀な指揮ぶりは、作曲者への敬意と愛情にあふれたものでした。曲の最後は弱音で静かに終わるのですが、響きが残っているのに「ブラボー」と叫ぶ不粋な客もおらず、余韻が消えた後のしじままで楽しむことができました。これは稀有なる体験です。
 満足感とともにホールを出ようとすると、出口のところでオーケストラのメンバーがお見送りをしてくれました。初々しくて良いですね。

 それでは夕食をいただいて帰宅することにしましょう。ホールや映画館に行く楽しみの一つは、その付近の店で美味しいものにありつけることです。渋谷アップリンクと「ヴィロン」のパン、ポレポレ東中野と「十番」のタンメン、オペラシティと「つな八」のてんぷら、浜離宮朝日ホールと「磯野屋」の寿司、新国立劇場と「はげ天」のてんぷら、東京文化会館と「池之端藪」の蕎麦、津田ホールと「ユーハイム」の洋食、岩波ホールと「揚子江菜館」の上海式肉焼そば・「スヰート・ポーズ」の餃子、新宿と「中村屋」などなどなど。東京芸術劇場と言えば、そう、「鼎泰豊」の小籠包です。東武デパートにある「鼎泰豊」に寄ったところ、幸い席が空いていました。さっそく小籠包とカニチャーハンを所望。もちもちとした皮と、美味なる餡と、ジューシーな肉汁のトリニティを楽しみながら、山ノ神と音楽談義に花を咲かせました。人生もそう捨てたものではありません。
by sabasaba13 | 2019-12-14 07:27 | 音楽 | Comments(0)