素晴らしい景観を撮影しようとあちこち歩き回っていると…猪木ピンチ…でも大丈夫、ちゃんときれいな公衆便所がありました。はあああああああああ。交通安全路上表示と透かしブロックがあったので撮影。
さてそれではそろそろバス停へと戻りましょう。バスの発車時刻は10:38、今十時ちょっと過ぎなので余裕の横山大観で間に合うで…ん? どことなく風景が違うな… やばっ! 道を間違えた。あわてて分岐点へと戻り、早足で歩を進めましたが、停留所に着いたときにはすでにバスは走り去っていきました。やれやれ。ま、こんなこともあるさ。So it goes on.次のバスまで約一時間、深野の町を散策することにしましょう。ここ深野は櫛田川沿いの道に家屋が建ち並ぶ、宿場町の風情です。まず目に入ったのは、恰幅のよい商家と蔵。登録有形文化財に登録されている佐野家住宅という説明板がありました。江戸時代後期より薬種問屋を営んでいたそうです。あとは「あかぶくろ胃腸薬」という看板を撮影して町の散策は終わり。 川辺におりると流れ橋があったので、大雨のときはかなり増水するのでしょう。 さてバスが来るまでまだ三十分ほどあるので、JA松坂深野の前にあったベンチに座って読書をすることにしました。窓ガラスに「TPP交渉参加反対!」というポスターが貼ってありましたが、満腔の意をもって賛成します。知的怠惰と謗られそうですが、四人の論客による鋭い指摘を紹介します。 グローバリズムとナショナリズムは矛盾しているように見えるが、実際には、これは「同じコインの裏表」である。国際競争力のあるグローバル企業は「日本経済の旗艦」である。だから一億心を合わせてその企業活動を支援せねばならない。そういう話になっている。 本日の二枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-04-17 08:17
| 近畿
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そして三十分ほど歩くと、深野のだんだん田に着きました。いやあこれは凄い、大小さまざまな石を精緻に積み上げた石垣が、幾重にも幾重にも屏風のように連なっています。まるで、野外に展示されたモダン・アートのようです。これははるばる来た甲斐があったというもの、眼福です。解説板が二つあったので転記しておきます。
石の芸術 「深野だんだん田」それにしても、何故これほどの石垣を築いたのでしょうか。多雨による棚田の崩壊を防ぐため、手ごろな石を産出した、腕のいい石工集団がいた、などが考えられます。いずれにせよ、村人たちの気の遠くなるような作業の賜物ですね。ただその艱難辛苦を支えたのは、間違いなく末来の世代への配慮、子孫たちがこの村で未来永劫幸せに暮らせるようにとの思いだと考えます。未来への世代に棚田を残した人たちと、放射性廃棄物を残した人たち。その志の違いは、月とスッポン、釣鐘と提灯、雲と泥、鯨と鰯、雪と墨、マハトマ・ガンディーと安倍伍長です。 本日の四枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-04-16 06:40
| 近畿
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賢者は、自分がつねに愚者になり果てる寸前であることを肝に銘じている。(オルテガ・イ・ガセット)
われわれの隣人が訴えてゆける規則がないところに文化はない。(オルテガ・イ・ガセット) 人間は自分以外の人に対して意を用いない度合いに従って、それだけ未開であり、野蛮である。(オルテガ・イ・ガセット) 何かを学びましたな。それはいつも、はじめは何かを失ったような気がするものです。(バーナード・ショー) 犀の角のようにただ独り歩め。(スッタニバータ) 人が驚かないときに驚き、人が驚かされるときに驚かされない。(内田樹) 民主政治は最悪の政治形態である。これまで試みられてきた他のあらゆる政治形態を除けば。(ウィンストン・チャーチル) 親族関係は静的な現象ではない。親族は自己を存続させるためにのみ存在する。(レヴィ=ストロース) 問われているのは、戦時中に竹槍戦術が施行されているとき、「それはB29にはとどかない」と言えるかどうかである。(中島岳志) 請われれば一差し舞える人物になれ。(梅棹忠夫) 無知とは知識の欠如ではなく、知識に飽和されているせいで未知のものを受け容れることができなくなった状態を言う。(ロラン・バルト) 豊葦原、瑞穂の国に生まれ来て、米が食へぬとは、うそのよな話。 言魂の、幸はふ国に生まれ来て、ものが言へぬとは、うそのよな話。(安成二郎) よい結婚はあるけれども、愉しい結婚はない。(ラ・ロシュフコー) たまには休むのもひとつの仕事じゃない? (スナフキン) いい子は天国に行ける。でも悪女はどこへでも行ける。(メイ・ウェスト) #
by sabasaba13
| 2016-04-15 06:34
| 言葉の花綵
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JR参宮線で伊勢市駅へ、近鉄山田線に乗り換えて松阪駅に着いたのが午前八時ちょっと過ぎ。駅前で8:20発の飯高地域振興局方面行きバスに乗り、深野をめざします。途中でサイクリングを楽しむグループを見かけましたが、いいですね。人間は良いものもろくでもないものも発明しましたが、最良の発明品は自転車だと思います。おっ、土砂崩れ防止のためのコンクリート壁に、野猿がちょこんと座っていました。
四十分ほどで深野に到着、帰りのバスの発車時刻を確認するため停留所をさがしましたが付近に見当たりません。中心部らしき方向へ行きましたが、ありません。通行人もおらずお店もなし。やっと散歩をしているご老人に出会えて教えてもらったところ、逆方向でした。やれやれ、時間をくってしまった。10:38のバスに乗り遅れると次は11:48か、かなりのタイム・ロスですね。でも現在の時刻は午前九時ちょっと過ぎなのでたぶん間に合うでしょう。たぶん…近くに交通安全路上表示(正式には何と呼ぶのでしょう?)があったので撮影。 棚田へと誘う道標や、「深野棚田まつり」というどでかい看板があったので、道を迷わずにすみそうです。「深野散策絵図」という大雑把な地図も貼ってあったので写真におさめました。それでは棚田に向かって出発、ゆるやかな坂道をのぼっていきましょう。途中にこんな看板がありました。 深野は山紫水明・人心豊かな土地柄なれども耕地に恵まれず、古くから木地・蚕・和紙等を生計の一助としてきましたが近代の文明開化・西欧食文化の変遷を先取りした先駆者の指導により邑を挙げて、和牛肥育と販路の拡大に誠意を尽くしてきました。今では、世界のブランド「松阪牛発祥の地」として、有名であります。村に歴史あり、ですね。 そういえば途中で材木屋を見かけましたが、木地師の末裔でしょうか。二匹の猫にも出会えました。にゃあにゃあ。 本日の一枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-04-14 06:32
| 近畿
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ぱっちりと目覚めてテレビの天気予報を見ると、なんと、今日から三日間は晴れる模様です。旅行直前の予報ではすべて曇り時々雨だったのに、天下無双の晴れ男、ここに見参。さて、本日の予定ですが、まずは二見浦を見物、そして松阪へ移動して、深野のだんだん田を拝見。ここまでは確定していましたが、そのあとの行程についてはいまだに逡巡しております。松阪か(本居宣長物件・松阪牛)、四日市か(末広橋梁・潮吹き防波堤・近鉄内部線・ご当地B級グルメ「とんてき」・コンビナートの夜景)、一身田か(環濠の残る寺内町)、津か(ご当地B級グルメ「津ぎょうざ」)、桑名か(六華苑・古い街並み)。ちなみに今夜の宿泊地は犬山です。…(沈思黙考)…よろしい、決めた。四日市は見どころが多いので後日、再訪することにしましょう。松阪牛と津ぎょうざを食べて、一身田を見学して犬山に向かうことにしました。
タイトな行程なので、泣いて馬謖を斬る、タクシーを利用。フロントに頼んでタクシーを呼んでもらい、まずは二見浦へ。鳥居の先の海面に、注連縄で結ばれた大小二つの岩が顔を出していますが、あれが有名な夫婦岩ですね。解説板によると、沖合700mの海中に鎮まる興玉(おきたま)神石の皇居として見なされているそうです。 そしてJR二見浦駅まで送ってもらいました。男岩(おいわ)と女岩(めいわ)を模した駅舎の中にはいろいろな展示物があったので、後学のため列車が来るまで拝読しました。二見小学校の校歌は、一番が明治天皇の、二番が昭憲皇太后の"御製"だそうです。何かの役に…立つかどうかわかりませんが、転記しておきましょう。 五十鈴川 清き流れの すえくみて こころをあらへ あきつしまびともしかすると、ジャズのスタンダード・ナンバー「Softly, as in a Morning Sunrise」の日本語タイトルはここからとられたのかな。それはさておき、解説は「ありがたい校歌である」と断定していますが、ありがたいかどうかは私が決めます。それ以前に、音楽を愛する者として、音楽を何かのために、例えば集団の一体感を高めるために利用することは好きではありません。よって、国歌も校歌も社歌も御免蒙りたいですね。ましてや歌うことを強制するなんて言語道断です。もうひとつの展示には、「夫婦岩の二見といえば…修学旅行のメッカです。晩ご飯を終えた夜8時前、旅館街では小学生が賑やかに走り回って歓声が」とありました。へえそうだったんだ。 本日の一枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-04-13 06:33
| 近畿
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自己紹介
東京在住。旅行と本と音楽とテニスと古い学校と灯台と近代化遺産と棚田と鯖と猫と火の見櫓と巨木を愛す。俳号は邪想庵。
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